Inconvertible Money
不換通貨の末路



不換通貨とは、金(GOLD)の裏付けのない通貨のことである。
反対語は、兌換(だかん)通貨と言う。
現在我々が使用している日本銀行券(お札)は、不換紙幣(通貨)である。

不換通貨は崩壊する運命にある。
なぜか?

国家の権力者・リーダーというものは権力を維持し続けようとする。
さらに敵対する野党のアメよりおいしくなければならない。
そこで増税か借金かの選択を迫られるわけである。

現代の権力者はもちろん借金の選択をする。
不換通貨であるがゆえに。


結果、借金増加、通貨発行拡大は既定路線となり大インフレを招く。
最終的に通貨の暴落で幕を閉じるのだ。


ではなぜ不換通貨ができたのだろうか?




紙幣の誕生

金銀貨は魅力的であったものの、不都合もあった。
供給量・音・重量・すり減り、といった具合だ。

そこで17C末、イングランド銀行は代替品の「ポンド紙幣」発行を思いつく。
金との引換券みたいなものだ。
これは人々に受け入れられた。
重い物を持ち運ばなくてもいいからである。

しかし、紙幣を乱発してしまうという愚行が横行した。
そこで金と完全にリンクさせた「金本位制」を取り入れる。(兌換通貨)


金本位制

19C末、金本位制は国際的に確立する。
しかし、第一次世界大戦、世界大恐慌など地金が絶対的に不足していたため
しばしば機能不全となり中断された。

1929 ニューヨーク大暴落が起こり、ドルの切下げ要求が強まる。
金の価格は暴騰し、金不足に陥ってしまう。
そこで、フランクリン・ルーズベルトは、1933 金本位制廃止を決定。
管理通貨制に移行し、大規模な量的緩和を行う。
さらにこの時、国民から金を没収している。
(従わない者は、1万ドルの罰金又は10年以上の懲役)


ブレトンウッズ体制

第二次世界大戦による疲弊した世界経済を立て直す目的で、
IMF, IBRDを中心とした為替体制、貿易体制のことである。
ドルは金と$35/オンスと定め、各国通貨の交換比率を定めた。(\360/$)
これにより間接的金本位制が確立される。


金本位制の終焉

ベトナム戦争・財政赤字・インフレ・貿易赤字に悩むアメリカは
1971 ニクソンが突然ドルと金の兌換停止を発表した。(ニクソンショック)
各国は変動為替相場制に移行したため金本位制は終焉した。
その後もアメリカは低迷を続け、70年代ドルは金に対し1/10となった。


キングストン体制

1976 キングストンで変動相場制度が承認された。
ニクソンショック後、国際的にも管理通貨制度に移行した。


管理通貨制度

通貨発行量を調節することで、物価安定、経済成長、雇用改善、収支安定などを図る制度。
発行量が本位備蓄量に拘束されないので、柔軟な通貨量調整をすることができる。
したがって、金とは関係のない不換通貨を用いることとなる。


通貨当局が政府の影響下の場合、景気対策のための金融緩和がインフレを招く場合がある。
独立性が保護されている場合、当局の失策が国家に破滅的な混乱をもたらす場合がある。







権力維持、景気対策のためにお金を刷り、ばらまく。
赤字解消のため、お金を刷りまくる。
毎年毎年、借金を借金で穴埋めする。

子供手当、補助金等々・・・配られる物は紙である。
1万円札の原価27円であることを忘れてはいけない。
日本政府の信用がなくなった瞬間、紙となる。

世界的量的緩和通貨戦争・・・結末はいかに


不換通貨とは何の裏付けもない紙である 刷れば刷るほど価値はなくなっていく